日本国内で販売をした時、モノにもよりますが保証期間は1年間が多いのではないでしょうか?
保証期間が始まるのは、販売者のところを出荷した日から1年間になります。
海外にモノを販売した場合の保証期間はいつから始まるのか、ご存じでしょうか?
保証期間は、英語だとWarranty periodと言います。
保証期間の開始日
海外にモノを販売する場合も基本的には、どこかを出荷した時点が保証期間の開始日になります。大きくは2つに分かれます
① 工場(販売者)から出荷される日
これは、日本での販売と同じで、販売者のところを出荷した日が保証期間の始まりの日になります。
貿易用語的には、EX-Works(工場渡し条件)の時に、この日が保証期間の始まりになります。
② 飛行機・船が出港した日
海外への販売だと、モノを出荷してそのまま輸入者のところに行くのではなく、運送会社に渡された後、輸出通関を経て飛行機や船で出荷されます。
貿易用語的には、日本国内の運送人(飛行機・船)に渡った時点で、買主にモノを引き渡す条件のFCAやFASの場合、出航した日を起点として保証期間の始まりとします。
①、②いずれの場合も、インボイスの発行日を起点日に設定することで、保証期間を売主・買主で明確化させることができます。
なお日本国内だと、客先に到着し、検収された日を保証の開始日とすることもありますが、海外だといつ客先に到着したかを把握することが困難です。そのためモノが日本国内にあるどこかの地点を保証期間のスタート日とするのが一般的です。
例外的に、装置のような大きなものを販売する場合は、現地での据え付けを日本から出向いてする必要があります。そのような場合は据え付け完了日(検収日)を保証期間の始まりとすることもあります。
いつからを保証期間の始まりとするかは、取引契約書の中に入れておいた方がいい内容です。
保証期間は日本国内と同じにする必要はあるか?
日本国内で、モノによっては1年間より長い3年間の保証をしている場合が多いでしょう。日本と海外ではサポート体制も異なってきますので、必ずしも合わせる必要はありません。
現地の代理店を通して、お客さんに製品を販売する場合は、現地代理店との間での取り決めになります。お客さんに保証してもらうのは現地代理店になります。
海外での販売だと、日本からの輸送に時間がかかることがあったり、現地で一定期間在庫する場合もあります。そのため1年以上の保証期間を要望されることもあります。これは状況に応じて、柔軟に対応すればよいでしょう。
不良の際、どうするか決めておく
保証期間は、基本的に使用し始めてから一定期間過ぎた後に不具合が発生した場合、どれくらいまで保証するかの期間です。
不具合にはそれ以外にも、日本からの到着時の受け入れで確認される不良や、使い始めてすぐの初期不良があります。
そのような初期段階の不良に関しても、取り決めをしておいた方が良いです。
例えば、到着してからの不良申告は到着から1週間以内など。
ある程度時間が経過してから、受け入れ不良として申告があっても、実際は現地側の扱いなどで不具合が起きているケースもあります。責任範囲を明確にするために、期限をきちんと決めておいた方がよいでしょう。
購入先との間で、不良が起きた場合に、どうするのかを決めておきましょう。日本から代替品を送る、誰が送料負担するのかなどといったことです。
保証規定(Warranty policy)を決めておけば、細かいこと以外は、毎回同じやり方で対応できます。
また保証期間が切れてしまうと、有償で対応するような形になってきます。その場合もどのように対応するのか入れておくとよいでしょう。
なお製品本体にシリアル番号を付すことが出来る製品であれば、その番号から出荷時期を特定できますので、必ず社内で管理しておきましょう。
保証期間・規定をきちんと決めておけば、それにのっとった対応を行うことで、取引先との信頼関係を構築していくことができます。
日本の製品の良いところは、製品そのものの品質もありますが、不具合が起きた時のサポートがよいというところもあったりします。
何かあった時の責任範囲も明確化でき、トラブル対策になりますので、きちんと対応しておきましょう。
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