越境ECと一般の輸出取引、何が違うんですか?

trading, e-commerce輸出ビジネス

「越境ECのサポートをしているんですか?」

仕事の説明をする時「日本の商品を海外のお客様に販売・輸出するサポートをしています」と伝えると、このようによく聞かれます。

その度「越境ECではなく、一般の輸出取引いわゆる企業間の輸出取引のサポートです」と伝え、違いも説明しています。ただ分かったような分からないような反応をされることも多いです。

確かに越境ECも一般の輸出取引も、関わっていない人から見れば違いはよく分からないでしょう。

毎回、分かったような顔で違いを伝えているつもりですが、改めて違いを整理してみました。

越境ECと一般の輸出取引の違い

2つの取引の違いの主な違いを、表にまとめてみました。

越境ECと一般の輸出取引 比較表

越境EC取引一般の輸出取引
取引対象主に個人消費者(B2C)
B2B・C2Cもあり
主に企業間取引(B2B)
取引規模小規模取引小規模~大規模
取引オンラインプラットフォーム
自社ショップサイト
直接契約や商談による取引
配達方法宅配便や小包配送が多い大量輸送(船舶・航空貨物)が多い
法規制の影響通関手続きや関税が簡略化されることもある(少額取引)通関手続きや貿易規制の適用を受ける
顧客主にエンドユーザー(消費者)主に代理店、卸売業者など
ECサイトで海外の個人顧客に商品を販売自動車、電子部品、原材料を海外企業に輸出

越境ECが一般の輸出取引と違うところ

1.海外販売用のプラットフォームがある

越境ECは、分かりやすくいうと国をまたいだネットショッピングサイトです。私たちがネットショッピングで使っている楽天市場が、海外のお客様に向けて売っているイメージです。

日本でも最近、中国のTemuやSheinの商品サイトを目にしますが、あれらも越境ECサイトです。

越境ECでは各国向けにこのようなサイトがあります。

  • 欧米向け: AmazonEbay
  • 中国向け: Tmall(アリババグループ)
  • 東南アジア向け: ShopeeLazada

これらのサイトに、自分たちの商品を出品して海外のお客様に購入してもらいます。

また、海外のお客様向けに自社ショップサイトから販売することも越境ECです。Shopifyなどのサービスを利用すれば、自社だけの海外販売サイトを構築することもできます。

2.購入者がそのまま消費者になるので、取引規模は小規模

越境ECはネットショッピングサイトのため、購入するお客様がそのまま商品を使用することが多くなります。

そのため1件あたりの取引は小規模です。梱包も小さく軽いため、配達方法も郵便局の国際郵便など小口の配送サービスを使うことが多くなります。

3.輸出入の規制は同じでも少額取引が多くなる

越境ECも一般の輸出取引同様、通関や貿易の規制を受けます。海外に輸入されるときには、各国の規制に基づき関税率や、輸入の可否も変わります。

ただし取引が小規模なことから、1件のインボイス(商品)価格が少ないことが多く、少額取引として扱われることが多くなります。その場合、輸入の関税や消費税の対象外となります。例えば日本に輸入する場合は1万円以下、アメリカへの輸入は100ドル未満が対象です。

今、大幅に売上を伸ばしている中国のTemuやSheinは、少額取引となる金額で取引量を増やしています。税金を払うのは輸入者=消費者、税金を支払わなくて済むので、安く商品が手に入ります。買う人にとってのメリットが大きくなります。

一般の輸出取引は越境ECとは全く違うのか?

では、一般の輸出取引は越境ECとは全く違うのでしょうか?

正直「海外に商品を販売する」という意味では同じです。商品、お客様によって変わる販売方法の種類と考えるのがよいでしょう。

ただどちらかの販売方法しか取れないというわけではありません。

扱っている商品によっては、どちらの方法も取れる場合も考えられます。

例えば最初は越境EC用のプラットフォームを利用して試験的に販売します。

販売実績を積み認知度を高めてから、自社サイトでの販売に切り替えます。

その後、大口の取引を望む企業と一般の輸出取引を始めるといったケースです。

昔は「一般の輸出取引」という取引方法しかありませんでした。

ここ数年は越境ECのサービスも増え、海外に商品販売を始める間口が広がってきています。そういった意味で、海外に商品を販売する障壁は減ってきているのではないでしょうか?

自社の場合は、海外にどのような販売方法を取れるだろう?と感じた方は、無料相談をご利用ください。

コメント