こんにちは。海外取引パートナーの水坪めぐみです。
今回は、日本から海外に商品を輸出したい方に向けて、「関税免除制度(De Minimis制度)」についてお話しします。
この制度を知っておくと、テスト販売や小ロット輸出のハードルがぐっと下がります。
海外展開の第一歩を踏み出す方にも、非常に有益な知識です。
De Minimis(デミニミス)ってなに?
「デミニミス(De Minimis)」とは、ラテン語で「取るに足らないもの」という意味です。
国際取引の世界では、「少額の貨物には関税をかけません」というルールのことを指します。
この制度は国によって金額の基準が異なりますが、うまく活用すれば関税や消費税なしで商品を輸出できるケースも多く、特に以下のようなケースに最適です。
- 海外バイヤーに商品サンプルを送るとき
- 海外の個人顧客に少額の商品を販売するとき
- 海外進出の初期に、テストマーケティングとして小口販売をしたいとき
国別|De Minimis制度の関税免除ライン(2025年時点)
では実際に、日本から輸出した場合、相手国で関税が免除される基準額はどのくらいでしょうか?主要な地域を紹介します。
アメリカ(USA)
- 関税・税金ともに免除:800米ドル以下/1件の輸入
- 商用・個人用を問わず適用されます(※例外品目あり)
- 法律:Section 321
ポイント: EC販売でもよく使われており、商品単価が800ドル以下であればアメリカの顧客にとって非常に買いやすくなります。
(注意:2025年5月1日現在、トランプ政権下ではこのルールを撤廃するとしています。今後の動向に注意しましょう。)
ヨーロッパ(EU)
- 関税の免除:150ユーロ以下/1件の輸入
- ただし、VAT(付加価値税)は必ず発生
- 商業目的の輸出の場合、IOSS番号によるVAT対応が推奨されます。
ポイント: VAT込み価格で販売する場合、事前に「IOSS番号」を取得し、VATを徴収・納付する体制を整えるとスムーズです。
日本(参考情報:逆輸入時)
- 関税・消費税の免除:課税価格が1万円以下(=実支払額 約16,666円以下)
- 個人使用が前提で、商業用には適用されません。
関税免除の活用で、輸出はもっと身近に
このDe Minimis制度を活用すれば、関税による価格上昇を抑えることができ、現地の顧客にとって購入のハードルが下がります。
特に、以下のようなビジネスにぴったりです。
- 海外のマーケットプレイス(Etsy、Shopify、Amazonなど)での小ロット販売
- 海外の個人顧客からの受注販売
- サンプルやノベルティの配布による見込み客開拓
「関税がかかるから…」と輸出をあきらめていた方も、金額次第では税負担ゼロで輸出可能なのです。
免税制度を使う際の注意点
以下の点にはご注意ください。
- 酒類・タバコ・香水・薬品などは免税対象外
- 商業用かどうか、同じ顧客への頻繁な発送は税関でチェックされる可能性あり
- 現地の関税制度は変更されることがあるため、最新情報の確認が必須
配送業者(FedEx、DHL、日本郵便など)が申告を代行してくれることが多いですが、内容の誤りによって課税されるケースもあるので、インボイスや申告書類の記載は正確に行いましょう。
海外展開の第一歩は、小さく始めて、確実に届けること
海外との取引はハードルが高いように思えるかもしれませんが、少額取引×関税免除制度を活用すれば、思った以上にシンプルに始められます。
まずは「1件だけのサンプル発送」からでも大丈夫。
「実際に売れるかどうか試してみたい」という段階でも、しっかりサポートできます。
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