海外販売での代理店契約の際、独占権を要求されたらどうする?

輸出ビジネス
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海外にモノを売る時には、海外現地でお客さん(ユーザー)に販売してくれる会社が必要です。

海外のユーザーに直接、日本から販売することも出来ますが、相手にとっては国内取引ではなく、海外取引になります。


海外取引に慣れていなければ、ハードルは高くなりますので、通常は国内取引の方が圧倒的にやりやすいです。

私たちも海外のモノであっても、わざわざ現地から取り寄せる人はかなり少ないと思います。

世界は狭くなったとはいえ、海外との売買はまだハードルがあります

海外でモノを販売する方法

通常、海外現地で販売する場合、次のような方法があります。

  1. 現地法人
    •  自社で現地に会社を設立し、販売する
  2. 代理店(ディストリビューター)
    •  現地企業と代理店契約を結び、代理店からユーザーに販売してもらう
    •  販売のお金のやり取りは、自社⇔代理店間で行う
  3. セールスレップ
    •  現地企業・人に、現地で営業活動してもらう
    •  販売のお金のやり取りは、自社⇔ユーザー間で行う
    •  セールスレップには、報酬(コミッション)を支払う

このような販売ルートを通じて販売します。

現地法人は投資がかなり必要になりますので、ある程度実績を積み、将来的な市場性が高い場合でないと踏み出すことが難しい方法です。通常は、他の方法から始めることが多いと考えます。

代理店から販売してもらう場合

現地に代理店を置いて販売する時、通常、代理店契約(Distributorship agreement)を結びます。

その際に出てくる話として、「独占権を与えるか、与えないか」というのが出てきます。

通常、代理店契約を結ぶ際には、どこの国・エリアで販売をしてくださいという取り決めをします。

独占権(Exclusivity)とは、主にはその国・エリアにおいてその代理店以外にしか販売しません、他の代理店とは契約を結びませんというのを、日本側の会社が認める契約をすることです。

1つの国がほとんどですが、場合によっては周辺国も含め複数国とする場合もあります。

代理店契約で独占契約を結びたい理由

代理店側にとっては、独占権をもらえれば、当然、自分たちだけが、その製品を販売することが出来るようになります。その製品を他に扱う会社がいなくなり、競争がなくなりますので、有利な状況になれます。

そのため、独占権をもらえないのであれば、代理店契約しないという会社もいたりします。

海外でなかなか代理店を見つけるのは難しかったりしますので、独占権を結んでもいいから契約をしたいというこちらの弱みにつけこむようなやり方にも感じます。

一方、向こう側の気持ちからすれば、いろんな会社と代理店契約をされると、自分たちがせっかく販売するために費やす費用・時間が無駄になってしまう可能性もあります。そういった心情を考えれば、理解できるところではあります。

できれば独占権は与えない方がよい

では、独占権を与える契約をした方がいいのでしょうか・・・?

できれば、このような理由から、最初から独占権は与えない方がよいと考えます。

理由① ちゃんと営業活動をしない可能性がある

契約をしたからといって、モノがすぐに売れるわけではありません。現地で売るための営業活動を代理店にしてもらう必要があります。独占権をもらったことにあぐらをかき、営業活動をちゃんとしてくれない会社もあったりします。

理由② 現地の市場に合った代理店かどうかを見極める必要がある

自社の製品が、日本と同じような客先に売れるかどうかは、販売活動をしてみないと分からない部分ではあります。代理店を利用するメリットは、彼らの既存の販売ネットワークを利用できることにあります。

しかし、いざ代理店で営業活動をしてもらうと、彼らの既存の客先には売れない可能性もあります。その場合は、一から販売体制を構築してもらう必要があります。そういった場合でも、取引を継続できるかを見極める必要も出てきます。

理由③ 他にもっとふさわしい代理店候補が出てくる場合がある

いざ現地販売を始めると、もっとよい代理店候補と知り合う可能性があります。この時、独占権を最初の代理店に与えてしまっていると、新しい代理店契約を結ぶためには、独占権をはく奪する必要が出てきます。当然、既存の代理店は拒んできますので、めんどくさいことになってきます。

独占権を与えるのであれば、きちんとコミットしてもらう

独占権を与えるのが、絶対悪ではありません。これが、代理店のやる気を高めることも大きいです。

もし独占権を与えるのであれば、契約の中に独占権解除条項を入れておきましょう。
下記のようなことをベースに入れておきます。

  • 売上の目標を入れる
    • 一定期間に達成できなかった場合は、独占権を解除出来るようにしておく
  • 営業活動のコミットをしてもらう
    • 自社製品に責任を持ってもらう営業・マーケティング人員をアサインしてもらう
    • 定期的な報告を必ずしてもらう
  • 在庫を持ってもらう
    • 一定金額・量の在庫を代理店側で持ってもらう
契約書
ちゃんと契約書の中に、必要なことは入れましょう

任せきりにしないことも大事です

代理店が出来たから終わりではありません。

現地に出向いて製品のトレーニングをしたり、どのように売ってもらいたいのかを継続的に説明していく必要が出てきます。不具合が出た時、新製品が出る時のフォローも必要になってきます。

こちら側も継続的に関り、営業活動を後ろから支援するような姿勢でいる必要があります。ちゃんと関わった上で、何もしてくれないのであれば、契約を継続するかどうかも見極める必要があります。

代理店が、他にも売る製品を持っている場合は、特にこの兆候には注意を払う必要があります。

こちら側からも積極的に関りを持ち、長期的な関係を築いていきたいですね。

継続的な関りが必要になってきます
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