税関の事後調査に備えるために大切なこと。過去の体験談から

輸出ビジネス
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これまで数社で輸出・輸入業務に関わってきましたが、何回か税関の事後調査を経験してきました。

今回は、これまでの経験から注意した方がよいことをお話しします。

税関の事後調査とは?

税関職員が、輸出入事業者に訪問し、輸出入に関連する処理が、法令にのっとってきちんとされているかを確認しに来ることです。詳しくは、下記公式サイトを参照ください。

税関なので、主にはきちんと税金を払っているかを確認しに来ます。

輸出入貨物に関わる売買の書類、貿易関係の書類、お金の支払いに関する書類などが確認の対象になります。

通常5年に1回来ますので、対象の期間は前回の調査時点からの期間となることが多いです。
初めての場合は、輸出入事業開始からの期間が対象になるかと思います。

5年に1回なので、1回経験すれば次はいつ頃来るというのは分かるようになります。

1ヶ月くらい前に、税関より事後調査を実施する旨の連絡がありますので、予定することになります。実施期間は3日間程度です。

いきなり乗り込んでくることはありませんので、通知を受けてから必要な準備を実施していくことになります。

取引に関わる書類・やり取りがきちんと説明できるように、書類を整えておきます。

輸入の方が指摘が入りやすい

通常、輸出をする際は、税金を払うことがありません。
輸出の場合、申告内容が適切かなどが確認され、適切でない場合は指導・指摘がされます。ただし、税金を追加で支払うような指摘がされることはありません。

輸入の際は、毎回関税・消費税を支払っています。税金がきちんと支払われているかの確認になりますので、こちらで指摘をされることが多いです。

実際にあった指摘内容

ではどのようなことで、指摘があったのかです。

アンダーバリュー

輸入で一番指摘が多いのが、これではないかと思います。
正しい価格で輸入申告せずに、低い金額で申告することです。
申告金額を低くすれば、支払う税金が安くなります。ただし事後調査で正しく申告していないことが確認されれば、正しい金額に基づいた税金の差分(不足金額)を後で支払うことになります。同時に延滞税も発生します。

なお購入品以外のサンプルも同様です。海外の輸出者が書類を用意するので、安く記載してくることもありますが、こちらも適切な金額で申告していないと、指摘の対象になります。

通常より安く買った時の申告金額

取引上、通常購入価格よりディスカウントをもらい購入することがあると思います。
例えば、販売用ではなく、展示会などでデモするために使う販促用に購入する場合です。

その場合、通常取引価格より、安い金額で購入することもあります。輸入インボイスの申告価格も請求書通りの金額であれば、当然安くなりますが、通常の取引価格での申告にするように指摘されたことがあります。

こういった価格の根拠には、取引先からの価格表・見積書の確認を要求されることが多いです。そのため、必ず価格に関する書類はきちんと保管しておきましょう。

なお、Eメールでのやり取りで価格を得ている場合は、Eメールがきちんと保管されていれば、書類の代わりとして認められます。

金型など製品以外の支払い未申告

製品を作ってもらうにあたり、金型かながた代を取引先に支払うことがあると思います。

この金型自体は、輸出先で製造用に使用するので、こちらに輸入されることはありません。ただし金型を使って製造される製品を輸入している場合、金型の金額を、製品の金額と同様に輸入通関する必要があります。

金型代の支払だけしかしていないと、輸入通関をしていないことになるので、注意が必要です。
金型を使用した製品の初回輸入時に、金型費用を上乗せして申告するなどして対応します。

一番大事なこと

調査が終了すると、輸出入の処理等に関して、問題がある場合は指摘されますので、改善します。追加で税金を支払う場合がある場合は、別途支払い方法の指示がありますので、それに従います。

事後調査は、手間ではありますが、これが結構重要です。

書類管理をきちんとしておく

事後調査は、税関職員が保管書類を元に確認を行っていき、不明事項があれば、都度質問があります。期間中ずっと一緒にいないといけない訳ではありませんので、質問時間以外は、通常業務が出来ます。

ただし不備が多い場合、特に書類の不足がある場合、社内を再度探し回ることになったりします。そうすると、業務に必要以上に影響が出てきてしまうことがあります。

通常5年間の保管期間となっている必要な書類が、適切に保管されていれば、スムーズに進みますので、日ごろからきちんとファイリング管理が出来ていれば、そこまで身構えるものではないため、日々の業務できちんと対処できているといいですね。

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