海外に注文をもらった商品を発送後、受け取った買主からクレームが来ることがあります。
商品そのものに不具合があった、数が合わない、頼んだものと違うなどいろいろありますが、一番多いのは商品のダメージではないでしょうか。
これは主に、発送時の梱包に起因することが多いです。
海外の荷扱いはかなり雑です
海外から帰国した際、いつも感心するのが、預け入れ荷物が返ってくるターンテーブルでの風景です。スタッフの方が、ちゃんとスーツケースの向きを、取り出しやすいように揃えてくれます。
海外ではなかなかこのような丁寧な扱いは期待できません。海外の空港のターンテーブルだと、向きも様々なスーツケースが回っているのがよく見る光景です。
荷物に関しても、国によってはかなり雑な扱いをされることになります。荷物をぶん投げるなど、日本では考えられないような扱いをされることがあります。
当然、海外輸送は国内輸送より梱包のダメージを受ける可能性が非常に高くなります。
保険かけていても、壊れていたら手間が増えます
保険をかけていれば、そこまで気にする必要があるのかと感じるかもしれません。またEX-Works(工場出し)条件の場合、自分たちのところから発送したら、後は受取人の責任では?とも思うかもしれません。
確かに保険をかけていれば、破損に伴う補償はある程度期待は出来ます。
ただし、保険で商品が直るわけではありません。新しい商品の出荷依頼があった場合、こちらから再度発送する手間は出てきます。
あまりにも商品破損が続くと、いくら輸送途中のダメージだったとしても、買う側からすれば、送る側の梱包方法に問題あるんじゃないのかという印象を持つ可能性もあります。信頼関係上、良いことではありませんので、やはりこちらでも十分に対応しておく必要があります。
反対に、海外から商品を購入する時も、海外の梱包は結構ひどいこともあります。繰り返しダメージが起こる場合には、きちんと発送先と話し合いをし、梱包対策をきちんとしてもらう必要もあります。
どんな対策をすればいいのか?
精密機械などの高価値商品であれば、第3者機関でJISに基づく落下試験を行い、梱包が輸送に耐えうるかどうかを確認するとよいでしょう。
ただ、そこまでではなくても、予防策としてできることがあります。
厚手の段ボールを使う
日本国内の輸送に使用している段ボールは、素材が柔らかく、輸送途中にダメージを受ける可能性が非常に高いです。
海外発送用の強化段ボールなどがありますので、そういった強い素材の段ボールを使うようにしましょう。
昔、段ボールを二重にして出荷してくれという海外の会社がありました。ダメージ対策というよりは、段ボールも商品の一部で、輸送中の汚れが嫌だから、梱包用の段ボールを別にしてくれという目的でした。
そんなに都合のいい段ボールは存在しないので、対応できませんでしたが、ここまでやったら、梱包強化にもつながるのかもしれません。
詰め込みすぎない、緩衝材はしっかりと入れる
送料節約のために、なるべくたくさん1つの箱に入れようとしていないでしょうか?これは、段ボールが破損した際などに、外側に商品が露出しやすく、ダメージにつながりやすいです。
ちなみに国際輸送においては、箱のサイズと、重さのどちらか大きい方で運賃が計算されるルールになっています。
そのため、いくら小さい箱に無理やり入れても、重くなってしまえば結局重さを優先した料金になります。無理やり詰めるのではなく、緩衝材なども入れた梱包をしましょう。
また詰め込みすぎで1箱があまりにも重い場合、運送会社で引き受けてもらえない場合もあります。
梱包箱の外に注意書きをする
これは、どこまで有効かは分かりませんが、荷扱いの注意書きをしておきましょう。
Handle with care(取扱注意)や、Fragile(壊れ物)、This way up(天地無用)などのステッカーを分かるように貼っておくとよいと思います。丁寧に扱ってほしい注意を促すことができます。
パレットでの出荷をする
発送する箱数が多い場合は、パレットを使用して出荷するというのも検討できるでしょう。パレットの上にまとめて置き、周りをラップで囲うように覆うので、汚れも付きにくいです。1箱を荷物を積みかえの都度、触れる機会が減りますので、ダメージが起きにくくなります。
ただし、運搬にはフォークリフト車が必要になりますので、受け入れ側の状況を確認する必要が出てきます。またパレット分、重量もかさみ運賃に影響が出てくることを考慮する必要があります。
1に梱包!2に梱包!!です
海外へ荷物を発送するのは、日本国内のような丁寧な荷扱いを期待することはできません。
また物理的に、長距離・長時間輸送されますので、そういったことを考慮し、きちんとした対策を取りましょう。
梱包状態がきちんとしていれば、到着時のクレームもかなり防げますので、留意しておきたいポイントです。
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