グローバル化とか、グローバルな人になろうとか聞きますが、一体何がグローバルなんでしょうか?
辞書でグローバルとはこんな意味です。
〘形動〙 (global) 地球的な規模であるさま。全世界にわたるさま。世界的。
出典 精選版 日本国語大辞典
この言葉の意味自体は、理解できます。そんなに違和感もない。
でも、これを用いた言葉を聞いた際に、それってどういうこと?ってなることあると思います。
例えば、「グローバル人材になろう」
言葉の意味通りに考えれば、地球的・世界的規模の人材になろうだと思います。
でも、地球的・世界的規模ってなんでしょうか?
グローバルな人と聞いてイメージしやすいのは、英語を始めとする外国語に堪能な人であったり、海外生活・経験が豊富な人です。
グローバル人材という場合も、単にこれを目指そうという意味で言っていることも多いのではないでしょうか?
また、会社でも、「グローバル化する」とか、「グローバルな会社になろう」とか言ったりします。
たとえば、それまで日本でだけ販売をしていた会社が、売り上げを伸ばすために、海外にも販路を拡大する場合です。
こういった場合、会社の目標や、スローガンに「グローバル化する」といった言葉が使われるようになります。でも、具体的にどういうことがグローバル化なのかを、上から大抵説明されることはありません。
会社だけではなく、人に対してもグローバルにならないとダメだなど、突然降って湧いたように言われたりします。
現場の社員たちは、グローバルって何?状態です。海外にモノを売るのがグローバル?英語話せないとダメなの?でも、自分無理だし・・・となります。
こういった会社の場合、ほとんどの人はそれまで海外関係の仕事をしたこともなく、国内だけで回る経済の中で生活していることが多いでしょう。
海外展開をする場合には、一部の経験のある人材だけが関わる場合も多いです。そのため、それ以外の人はこれまで通りの仕事で、会社でグローバルという言葉だけが一人歩きし、なんだか意味のない言葉になっていきます。
ほんとのグローバルと言うのは、仕事で携わるかどうかを問わず、日本だけでなく、海外も含めた全体を俯瞰して、物事を考えたり、行動していくことではないでしょうか?
日本だけがよければいい、海外は関係ない。自分だけよければいいみたいな考えでいるのではなく、全体のことを意識する・考えることではないかと感じます。
また、自分とは違う文化や背景を持った人のことを受け入れ、理解しようとすることもその1つではないでしょうか。
英語を話せたりすることや、海外経験があることは、日本を外側から見る機会に恵まれるので、そういった視点を持ちやすいです。ただ、それでけではないのも事実です。
たとえば、海外経験があっても、欧米優位のような偏った思考を持っていたりすると、アジア・アフリカの現状を全然理解していなかったりします。
また英語が話せるアメリカ人、全員グローバル?と言っても、それもなんだか違和感あります。海外知らず、自国だけのことだけ考えているアメリカの人もいます(特に内陸部とか)。
グローバルな視点を持った人は、必ずしも語学が堪能であるわけではありません。
ただし、相手をより理解したい・知りたいために、うまく話せなくても、なんとかコミュニケーションを取ろうとします。
自分の仕事は、国内だけで回るから関係ないと思う人もいるかもしれませんが、直接的にではなくても、周り廻ってつながることもあります。生活に関わる食べ物、衣料品などは海外の存在なくしては用意できません。
国内だけのことだけではなく、海外で起きていることにも興味を持ち、知ろうとする姿勢が、グローバルと言われる考え方につながっていくのではないでしょうか。
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